Glamor

TOPICS

columnコラム


/column

グラマーのコラムvol.2~人生に彩を Color in Your Life~

〈NYコレクションレポート〉

今回は先月、「ニューヨーク コレクション」のヘアメイクチームに参加した弊社代表松本より、
現場でのレポートをお届けいたします。
「ニューヨーク コレクション」とは服飾の新作発表と販売促進を目的としたファッション業界の
イベントとして毎年2月と9月に行われ、ニューヨークを皮切りに、ミラノ、パリの順で約1ヶ月続きます。

今回はコレクションで行われるランウェーショーのモデルのヘアメイクを担当しました。
海外のコレクションのヘアメイクは大手のコスメティックブランドのスタッフや海外で活躍中の
メイクアップアーチストが 中心となっていますが、松本が参加しているチームは
「日本人だけのヘアメイクチーム」として活動しています。

この活動は日本人ならではの繊細さ、手先の器用さ、デザイナーのイメージを忠実に再現できる
正確さを世界に広めたいという思いから10年ほど前より始まり、松本は約6年前より参加しています。

 

 

~準備から当日まで~
コレクション当日までの流れを少し説明しますね。
まずショー当日の23ヶ月前にデザイナーから
今季のテーマやヘアメイクのインスピレーションが画像等で送られて来ます。

そしてそれを基にブランド側と打ち合わせが始まります。
デザイナーの好みやイメージを充分に把握し、洋服に似合うヘアメイクを提案し方向性が決まったら、
ひたすら再現できるよう当日までトレーニングを行います。
日本人のヘアメイクをすることが多いスタッフは、外国人の骨格の違い、肌質、髪質、色の違いなどに
慣れていない事もあるので、そこはやはり数多くの経験が必要になります。
実際に海外モデルの方を立ててトレーニングすることもあります。 

 

そしてショー数日前に現地入りし、デザイナーに会って「テストメイク」をというものを行うのですが、
この「テストメイク」によって事前に打合せをして準備していたヘアメイクの内容から急に変更になる事もあったり、
当日予定していたモデルの人数が倍に増えていたりとハプニグがつきものです。
ここでは臨機応変に対応できる技術力と経験が必要になります。 気持ち的な切り替えが出来るかどうかもとても大きいと思います。

 

 

華やかなショーの裏側はとても過酷なものですが、
「限られた時間の中で、瞬時にモデルの肌の色や特徴を判断し色の調合や道具を使いわけ、
デザイナーの思いを忠実に守りつつ
洋服を素敵に見せるヘアメイクを作り上げる事が難しさでもあり、やりがいでもある」
と松本は話します。

 

 

 

最近のニューヨークのメイクのトレンドは、 <メイクはここ数年「ヌーディー」なメイクが主流でしたが、
ここに来てまた「コントゥールメイク」という 立体感を出すメイクに戻って来ているように感じます。
どちらかというと日本人はヌーディーなメイクをお好みの方が多いように思いますが・・・。
メイクも地域やお国柄がよく出ると思いますが、日本人はやはり「柔らかさ」「透明感」を意識しますしメイクが繊細で上手ですね。
ヘアスタイルとしては作りこみすぎない「ミニマル」が主流でまだまだ続きそうです。

現在のNYファッション業界は、実は少し停滞気味。
ネットで簡単に洋服の購入が出来たり、ファストファッションの台頭などで商品の展開するサイクルが早くなったりと
マーケットが変わって来ていて、高いコストをかけてショーを開催するブランドが減って来ています。
しかしハイブランドにはまだまだ大きな影響力があることは間違いなく、また感動を得られるリアルなショーの継続は
多くの人が望んでいるものと思います。

グラマーのスタッフをはじめ、多くのヘアメイクアーチストがこのような舞台で活躍していけたら
こんなに嬉しいことはありません。

今回の仕事でまた多くの刺激を持ち帰りました。
様々な場面でその感動を伝えたり技術を伝えたり、仕事へのアイディアへと活かし
次に行われる「パリコレ」に向けて準備をスタートさせます。
「パリコレ」のレポートも致します.